給与

外資系企業の給与事情(ボーナス編)

投稿日:2017年2月28日 更新日:

外資系IT企業の年収とインセンティブボーナス(賞与)の関係は?

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

前回は基本給の特徴として下記3つを説明しました。

  • 年俸制
  • 年功序列なし
  • 横並びでない

この3つの要素は外資系企業のボーナスの考え方でも基本的に同じです。基本給と同じくボーナスも外資系企業においては部門ごとポジションごと個人ごとに設定が違います。

自分の成績が数字として明確に出てくるポジションの場合は会社・部門業績と個人の成績が連動したインセンティブが支払われ、年収に占める割合は大きくなる傾向があります。会社・部門の業績と関係なく個人の成績のみを反映させる会社もあります。

数字が明確に出てこない管理系等のポジションの場合も会社の業績と個人パフォーマンスの評価を連動させる事は同じですが年収に占める割合は小さくなります。

外資系企業の多くは四半期ごとに会社業績と個人のパフォーマンスの評価及び進捗の管理を行うので、営業系のポジションはインセンティブも四半期ごとに支給される事が多いです。エンジニアや管理系のポジションは年に1回支給する会社が多くなります。

 

営業のインセンティブボーナスの特徴

営業は自分の成績がダイレクトにインセンティブボーナスに跳ね返るポジションで年収に占める割合も大きくなります。考え方として営業の場合は基本給+成果給=年俸となります。

年俸と成果によって支払われるインセンティブの割合は営業部門ごとや製品ごと自分が担当するテリトリーごとに決まっていて、パートナーを介さないでダイレクトに顧客へ営業をするポジションの場合は6:4や7:3等の割合が多いですが、5:5等のチャレンジングな設定もあります。パートナー営業の場合は8:2や7:3等で基本給の割合が少し高くなる給与プランです。

※それぞれ割合の前の数字が基本給で後ろが成果連動の給与

OTE

この営業の年俸設定はOTE(On Target Earning)と呼ばれて、自分の売上目標=ターゲットを達成した時に想定される年収の事です。

例えばオファーレターの内容が、OTE1000万円=Base(基本給)700万円+Incentive300万円の場合は、想定年収があくまでも1000万円であって、インセンティブの300万円の部分は自分の売上目標を100%達成した際に全額支給される性質のもので、目標達成出来なかった時は当然ですが減額されます。

ですので提示されたオファーレター上は年収1000万円になって良かった!と喜んでいても実際の成績次第では想定を大きく下回る事も多々あります。特に初めて外資に転職する人はオファーを貰う際にその会社のインセンティブの支給条件や個人の営業目標をしっかりと把握した上で入社を決断する必要があります。

実際は目標を達成する事が不可能な数字でオファーが出されていたなんて事にならない為にも臆せずに人事に聞いておきましょう。

逆に目標を上回った時のインセンティブの額の大きさは凄いです。営業成績が目標を上回れば上回る程にインセンティブの支給率は良くなり急上昇していきます。20代の若手社員でも1000万円の年収を越える事も珍しくなく、中には数千万円稼ぎ出す人もいます。

インセンティブが多く支給される=高いパフォーマンスを発揮している証ですので、翌年度以降の基本給のアップにも繋がりやすくなります。外資では毎年自動的に基本給が上がって行くという事はないので、好成績の社員とそうではない社員の間では年齢が同じ、入社時期が同じでも大きく年収に差が出てきます。仕事に自信がありバリバリ働いて沢山稼ぎたい人にはうってつけの環境です。

しかしリターンが多い分、思う様に成果を出せない社員にとっては厳しい環境だと思います。日本の労働法では解雇をする事が容易では無い為、成績が悪いからといって直ぐにクビになるような事は稀ですが、段々と居づらい雰囲気となり会社を去らざるを得ない社員もある程度います。

またアサインされる業界やプロダクトによっては顧客が今年は沢山買ってくれたが、来年は予算が引き締められ営業が厳しくなる等のトレンドに左右される事も良くありますので、継続して成果を出すにはしっかりとしたアカウントプランがあり顧客との密なリレーションを築く等の地道な活動が必須です。

日系の大手企業でも最近は社員が退職まで勤め上げる事が必ずしも保証されていません。外資系企業が特に解雇されやすいとか厳しいという事はないと思います。

毎年上がる目標を達成する事は容易ではありませんが、成果を出し続ける社員は昇進もしていきますし、優秀な営業としての評判が業界内で広まり外資の多くの同業他社から好条件でのオファーがあり引き抜き(ヘッドハント)される人もいます。好成績を出した場合の会社からの待遇は手厚く、横並びの昇給・昇進システムではないので自分の実力に見合う高い報酬を得たいという人はチャレンジする価値があると思います。

 以上、外資系企業の給与事情(ボーナス編)でした。

⬇️外資系の成果主義と解雇に関する事⬇️

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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