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パワハラが当たり前の外資系企業

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外資系はパワハラが起こりやすい環境

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

企業だけでなくスポーツをはじめ様々な業界でパワーハラスメントが大きな問題となっています。外資系企業もパワハラが生じる組織の例外ではありません。スマートに働いている印象がある外資系企業ですが、実は結構パワハラが起こりやすい環境にあると思います。

ハラスメントに対する意識は高く、社内でもオンライン講習等を通じて定期的にハラスメントに該当する事例や注意すべき点を学びます。ただし、セクハラや国籍、人種、LGBTに関する差別やハラスメントを許さないという姿勢に比べてパワハラをしないように気をつけましょうという考えは少ないと思います。パワハラという概念すらないのでは?と思うほどです。

なぜ外資系企業ではパワハラに対する概念が少ないのか、それは組織のあり方に密接に関係しています。

トップダウンで物事が決まり直属の上司が人事権を握る外資系企業

企業ごとに違いはあるにせよ基本的に外資系企業は強力なトップダウンで物事が決まる組織です。そしてレポートラインの直属の上司が人事権を握っています。人事部には人事権がないので、昇給、昇格、減給、降格は全て自分の上司の裁量となります。

自分の上司はその上司に人事権があります。目標達成に厳しい外資では何が何でも目標を達成するという意識と文化があります。目標を達成出来なければ自分だけでなく、チームをリードする自分の上司の評価にも大きな影響が出ます。

その為、普段は割とフランクな上下関係を持っていても自分のチームの目標達成の足かせになりそうな社員には遠慮なく厳しく達成へ向けて動くように指示が出ます。頑張ったけど仕方がないという考えはありません。アメリカ企業の場合は特に日本人よりアメリカや外国の上司にこの傾向が強いです。アメリカは実力主義のお国柄の為、目標未達の社員には情けはありません。

この様な企業カルチャーが最近の日本的な感覚で言うとパワハラと思える態度や言動を生み出しやすい要因になっています。只、大きな部屋で大勢の前で理不尽な事で怒鳴る様な真似はしません。あくまでも自分の成績や目標に対してのみ厳しい要求をされます。

またトップダウンで今までの方針が180度変わる事も日常茶飯事です。外部のビジネス環境に敏感で決断が早い外資では力を入れて進めていたプロジェクトが突然無くなる事も珍しくありません。納得がいかなくても会社、事業部の方針には従う必要があります。

これらをパワハラと捉えるかは感じる人次第ですが、外資系企業では当たり前の光景です。要求も厳しいですが目標を達成した人間には年齢、性別に関係なく高い報酬も支払われるのでバランスは取れていると考える社員が多いです。

本当に辛いパワハラにあったらどうすればいいか

もし自分の中でどう考えても納得のいかない理由でパワハラにあった場合は、証拠を残す事から始めましょう。ある程度規模の大きい企業であればハラスメント専用の窓口がある場合もあります。仮にない場合でも各部門担当のHRビジネスパートナーへ相談をすれば何らかの対処はしてくれます。

外資系企業で充実した会社生活を送れるか否かは企業そのものより直属の上司との相性によるところが非常に大きいです。全ての人事権を握られている為、人間性や仕事の進め方が合わないと毎日が苦痛に感じられると思います。逆に仕事をしやすい上司だと実力を思う存分発揮する事ができ、評価も高くなり収入にも良い影響が出るでしょう。

転職する際は是非このことを頭に入れて、慎重に選考を受けていただければと思います。

以上、パワハラが当たり前の外資系企業でした。

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