年収をアップさせるには転職も視野に
こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。
外資系へ就職・転職する理由の1つ日系企業と比較した場合の高い年収があると思います。実際に私の周りでも30歳前後で年収1000万以上は多いですし、30代半ば以降では年収1500万〜2000万円ぐらいまでは珍しくありません。2000万を越えてくると数がぐっと少なくなりますね。
これから転職を検討している人の中でも、せっかく転職するのであれば今より高い給料を貰いたいというのが多くの人の本音だと思います。
私は年収をアップさせる一番良い方法は転職だと考えています。同じ会社で順調にキャリアを積んで、高い報酬を目指す事も勿論ありですが、日系企業の低い昇給率を考えると自分の目標とする年収に辿り着く頃には定年間近になってもおかしくありません。
私自身も今まで数回の転職をして、確実に年収をアップさせてきました。また人事として数多くの面接をこなし、オファーを出してきた経験から高い年収を得る為に転職をする良いタイミングがあると思います。
私は最初に就職した会社の年収が約400万円でしたが、2回の転職を経て10年かからずに年収で1500万円超までアップさせる事が出来ました。実績を残してきたからこそ年収が上がったと言えますが、転職するタイミングも大事でした。企業で採用する側として数多くの採用をしてきた経験からも同じ意見です。
外資へ転職をするのにベストなタイミングとは
実際に転職にベストなタイミングとはいつでしょうか?
答えはシンプルで
上り調子の時に転職をする
これが一番です。
何故このタイミングが大事かと言えば2つの理由があります。
- 交渉材料を持っている
- 心理的余裕がある
交渉材料を持っている
仕事が順調な時にはインセンティブやボーナスが通常より多く支給されたり、実績が認められて昇給や昇進が決まる等、その年や翌年の年収が上昇する要因が揃っています。
このタイミングは転職をする際に希望の条件を引き出す為に有利な環境が揃っていると言えます。外資系企業の給料は年俸制が多いです。年の総額で給与設定をします。
つまりインセンティブ等で年収の総額が一時的にせよ上昇した時は、転職してそれ以上の額を得る為の交渉材料を手にしている事になります。
昇給や昇格が決まっている時も同じです。転職活動時には給料がアップしていなくても既に昇給額が提示されいている場合はその額を土台にして年収の交渉を行います。
年収が上昇した年の源泉徴収票を証拠として提出出来る時期に選考を受けているのであれば、記載されている総額以上の年収を希望額として伝えます。
今後の給与上昇が確約されている場合は、書面等で昇給が今後発生する事を確認出来るように準備します。
特にインセンティブやボーナス等の翌年以降の支給額が未定な場合や、会社の給与制度が変わり今後は大きなボーナスを得る事が難しくなりそうな時には、年収総額が下がる前の早いタイミングで転職をした方が、良い条件を取る為には大事です。
外資の給与は基本的には直近の年収を募集ポジションのSalary Range(予算)と照らし合わせてオファー額を決定します。候補者の希望年収が募集ポジションのSalary Rangeとかけ離れている場合は、採用に至らない事が多いです。しかし多少のズレであれば調整を取れるケースもあるので、双方での妥協点を探るわけです。
上り調子の候補者は自信に溢れている人が多いです。そうなると企業側も採用をしたくなる気持ちが強くなります。この候補者を逃したらまた良い人材がいつ現れるか分からない。何とか希望通りの年収をオファーしたいと考え社内で追加の予算を確保する為に動きます。
リクルーターもHiring Managerもまた1から候補者を探す事に労力と時間をかけたくないのが本音です。大幅の予算超過でなければ採用したいと思う候補者には現在の給与より高い年収を提示するのが基本的な考えになっています。
どうしても応募ポジションのSalary Rangeで希望額へ届かない場合には外資系企業には別のオプションがあります。サインオンボーナスです。
サインオンボーナス-Sign on bonus/Signing bonusの良い点と悪い点
例えば希望の年収に300万円足りなかった場合には、サインオンボーナスとして300万円を支払い総額を調整します。
英語だとSing on bonusもしくはSigning bonusと言われて、候補者へ企業への入社のサイン(契約)を促す為に入社時に支払われるボーナスの事です。一括で支払われる場合と分割で支払われる場合と両方あります。
通常は入社年度のみのボーナスですが、契約によっては2年に渡り支給する企業もあります。希望年収に満たないオファーの時だけの為でなく、競合他社との差別化を図りより魅力的な条件のオファーとする為に企業が提示する事も珍しくないです。
自らサインオンボーナスを下さいとは言いにくいので、本当に入社したい企業があり年収条件が合わない事だけがネックの場合に、採用部門/リクルーターと交渉を進める中で他にオプションがないか自然な形で聞いてみるのがいいと思います。
サインオンボーナスのリスク
良い事ばかりに見えるサインオンボーナスですが、実はリスクもあります。あくまでも一時金としての支給なので、翌年以降は年収総額が減ってしまう点です。
同額をキープする為にはしっかりと実績を出し昇給やインセンティブボーナスで高い給与を勝ち取る必要があります。また早期に退職した時には返金を求められる可能性もあるので条件をしっかりと把握しておきましょう。
企業側のメリット
大盤振る舞いに見えるサインオンボーナスですが、企業にとっても大きなメリットがあります。それは固定費の増加を抑える事です。
仮に入社後のパフォーマンスが期待通りではなかったとしても、基本給を高く設定した場合に降給させる事は簡単ではありませんが、入社時一回のみの支給であれば、長期的に見れば小さい支出で済んだと考える事が出来ます。
この点を候補者に説明はしないので、理解した上でオファーの話を進めましょう。
転職に良くないタイミングは?
希望の年収と条件を得る事を目的として転職を考えた場合に、良くないタイミングは良いタイミングの逆で下り調子になっている時です。
全てが予定通りに進むわけではないので仕方が無いのですが、仕事を失う直前や年収が大幅に下がった後に転職活動を開始すると、早く仕事を探さなければという気持ちが焦りに繋がり、自分自身の本当の実力を見失ってしまいがちです。
給与が下がったり、仕事を失うまでに色々な努力と試行錯誤を重ねてきたと思うのですが、良くない状態が続いていると態度に自信の無さが見えてしまい、面接の場でも不利になりがちです。
今より低い年収でもいいから入社しますという人も多くいますが、今までの実績や経験を見ると勿体ないなと思う事もよくあります。
会社や部門の雲行きが怪しくなってきた時点で転職活動を開始するか、もしくは人材紹介会社/エージェントにコンタクトを取り転職マーケットの最新状況を確認する事をおすすめします。
少なくとも下記4つの情報をエージェントから仕入れておけば、いざという時に何時から具体的に転職に向けて動き出せばいいかの計画が立てられます。
- 自分の経験や知識のマーケットでの評価
- 見込める年収
- 自分が応募可能な求人が十分な数あるか
- 転職までにかかる時間
実際に転職をしなくても、自分の現在の市場価値を定期的に知っておく事は大事だと思います。
以上、外資へ転職して年収アップを狙うベストなタイミングでした。
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