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外資系企業の試用期間には注意が必要

投稿日:2017年7月13日 更新日:

外資の試用期間は本当に試用期間

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

長い選考と厳しい面接も終わり日系企業から外資系企業への転職が決まって、ようやく外資勤務が始まるんだとの喜びもつかの間、入社したら直ぐに厳しい試用期間(Probation Period)のスタートです。

ここでいう厳しいとは、怒鳴られたり無茶な要求をされるという事ではありません。選考の過程で今までの経験と実績を評価されて入社した訳ですから、今度はその実力が本当だという事を証明しなければなりません。

外資系企業の試用期間は入社して仕事に慣れてもらう為に設けられているのではありません。企業側が採用した人材が本当に自社で活躍し利益をもたらしてくれるか確認する為にあります。

企業によって試用期間の長さは違いますが、通常は3ヶ月〜6ヶ月という長さが多いです。3ヶ月〜6ヶ月の間は自分が組織に貢献できる人材だという事を必死で証明する必要があります。決して短くない期間を本採用に向けて緊張感を持って仕事をする事が求められます。

実際に試用期間を終える事が出来ずに会社を去っていく人もいます。もしくは3ヶ月の試用期間では本採用の判断を企業が下す事が難しい場合は、試用期間を延長する事は珍しくありません。

実際はあまり経験がない事を職務経歴書上や面接でアピールしてしまい、入社後に会社から関係する仕事を任されて、実は全然出来ませんでしたという話にならないように気をつける必要があります。選考では自分を売り込む事は大事ですが、実力と大きくかけ離れたアピールは経歴詐称とも捉えられて、試用期間を終える事なく解雇になる可能性もあります。

試用期間中に会社が確認するポイント3つ

本採用をするか判断する主な材料としては下記の3つになります。

1.能力

2.勤務態度

3.協調性

 

1.能力

面接の場で確認した能力と実際の業務遂行能力に差がないかを確認します。外資ではポジションごとにやるべき業務が決まっています。その業務を行うのに必要な経験とスキルも定められています。入社当初は周りのメンバーのサポートを得ながら仕事をするのは許されますが、本採用後は基本的に自分の仕事は自分で責任を持って完結する事が求められます。仕事を任せてもしっかりと対応してくれるとの評価を得る必要があります。

面接の場では仕事を任せられると判断したが、実は経験やスキルが想定していたより低かった、経験がないのに虚偽の申告をしていた等の場合は本採用に至らない事もあります。

2.勤務態度

試用期間中に遅刻、早退、欠勤が多い場合は当然の事ながら会社からの評価は低くなります。勿論、正当な理由があっての遅刻や早退、欠勤であれば仕方ないのですが、あまりに数が多いと勤務態度不良とみなされて、本採用を拒否される材料ともなり得ます。

少なくとも試用期間中は体調が悪い時や、家庭の事情でどうしても出勤出来ない場合を別にして、遅刻、早退、欠勤はしないようにしましょう。

3.協調性

チームの一員として貢献する姿勢があるかを確認します。コミュニケーションを取ろうとしない、攻撃的な言動がある、セクハラやパワハラと思われる態度・言動がある場合は協調性がないと判断される可能性が高いです。

本採用拒否には正当なプロセスが必要

企業が本採用をしないと判断するポイントを説明しましたが、試用期間であっても入社後14日を経過してからは、労働基準法の解雇予告制度の対象になります。解雇をする場合は30日前に予告するか、30日分の平均賃金を企業が支払うよう定められています。14日経過前は解雇予告無しの解雇が可能です。

入社後14日を過ぎて明日から来なくていいと言われた場合は、即時解雇となりますので30日分の平均賃金を企業に支払うよう求める事ができます。自分のやるべき仕事をしっかりと行い、勤務態度も問題無く、同僚とのコミュニケーションも良好なのに、合理的な理由なく本採用を拒否された場合は、労働基準監督署や弁護士等に相談しましょう。

採用される側も会社を判断しよう

最後になりますが、試用期間というと雇う企業が社員を本採用するか判断する期間という側面が強調されますが、試用期間は採用される社員が企業を判断する場でもあります。自分が想像していた仕事と違う、労働条件がオファーで提示された内容と違う、会社の雰囲気が悪い等、この先自分が楽しく働き活躍する姿が想像出来ない場合は試用期間中に思い切って退職する事もありだと思います。

雇われる社員が経歴詐称を行ってはいけないのと同じで、企業も実態と異なる労働条件を餌にして労働者を採用する事は批判されて当然です。

入社時には雇用契約を結び内容をしっかりと確認する事が大事です。労働基準法第15条では条件を書面で通知する義務が企業にありますので、雇用契約書もしくは労働条件通知書を入社前に提示してもらいましょう。

企業も働いてくれる人材がいないとビジネスが出来ません。企業と社員はどちらが上でなくイコールの関係であると思います。

自分が納得出来ない事が多い環境で働き続けても良い成果を出す事は難しいです。日本人が我慢強い事が労働条件の悪化や賃金の下落を招いてきた原因の1つでもあると思います。労働人口が減り人手不足の今は新たな道へと進む良いタイミングではないでしょうか。

以上、外資系企業の試用期間には注意が必要でした。

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