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外資への転職で多い学歴・経歴詐称の4つのパターンとバレル3つの理由

投稿日:2017年3月17日 更新日:

バックグラウンドチェックで不採用?外資では経歴詐称は最大のタブー

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

何とかして憧れの企業に入社したい!でも募集要項の求める経験や学歴に自分は達していないし、転職回数も多すぎて書類選考で落ちそうだから、少し嘘を書いてしまおうと魔が差したら最後、外資へは入社する事が出来ないか、運良く入社したとしても後で虚偽の経歴を提出した事がばれれば懲戒解雇へまっしぐらです。

本当に入社したければ学歴や経歴の詐称は絶対にしてはいけない事です。元人事として見てきた中で多い詐称のパターンが下記の4つです。

  1. 経験社数・転職回数を少なく見せる
  2. 退職日を偽る
  3. 派遣や契約社員として働いた経験を正社員として記載する
  4. 学歴を偽る

1.経験社数・転職回数を少なく見せる

短い期間で転職を繰り返したり、年齢に比べて働いた企業の数が多い候補者が事実をそのまま履歴書、職務経歴書に記載すれば書類選考を通過しないと考えて、実際に働いた社数よりも少なく申告するケースです。

転職活動をする中、企業への応募で書類選考のステージで落ちる事が多い人や、人材紹介会社から転職回数が多すぎて採用を敬遠する企業が多いと指摘を受けた経験がある場合等に、数社の経験をあえて記載せず、1社1社の経験年数を長く見せると同時に転職回数を少なくする為に取る方法です。

2.退職日を偽る

これは直近まで勤務していた企業の退職日から別の企業へ応募する時点で無職の期間が長い場合や、以前の転職と転職の間に長期に渡り働いていない期間がある人が退職日を偽って記載し、前々職から、前職、また前職から今回の転職の間に失業期間がないように見せたい時に取る方法です。

一般的に働いていない期間(ブランク)が長くなればなるほど、転職に不利になると考える人が多い為、この退職日を偽る形の経歴詐称が私の見てきた中では一番多いです。

3.派遣や契約社員として働いた経験を正社員として記載する

職歴に途切れはないけれど、派遣社員で働いていた期間を正社員として雇用されていたと虚偽の記載をしてしまうケースです。実際に自分が担当していた仕事内容よりも大きく見せる為に取る方法です。正社員が責任を持っていた仕事を、自分が担当していた等と書く場合が多いです。

4.学歴を偽る

学歴詐称で良くあるのが大学を中退した人が、大学卒業と偽るケースです。卒業年度を実際と異なる記載をする人もいます。例えば大学卒業までに通常より長くかかった場合等です。

外資で学歴・経歴詐称がバレル3つの仕組み

外資系企業への転職では経歴詐称をした場合にかなり高い確率でバレます。企業のコンプライアンスを重視する外資では、入社した後に問題を起こしそうな社員を採用の段階で幾つかのフィルターを設ける事によって、入ってこないようにしています。

経歴を詐称している人­=会社に損害を与える可能性がある人と会社は見ているからです。

虚偽の記載をしている事が発覚する理由は3つあります。

1.バックグラウンドチェックを実施する

バックグラウンドチェックとは経歴調査、身元調査の事です。採用に必要な個人情報を調べさせて頂きますという同意を候補者から得て調査機関を使い実施します。

履歴書に記載されている学歴と職歴が真実か確認する事が主な目的です。本当に学校に在籍していたか、卒業年度は正しいか、会社に在籍していた期間に間違いはないか等です。その他にも犯罪歴の有無が対象となる事もあります。経理やお金を扱うポジションの場合は借金や自己破産歴があると、採用不可の判断をする場合もあります。

尚、バックグラウンドチェックで出てきた結果として不採用になる場合でも、候補者へ理由を伝える事はありません。

只、最近は個人情報保護の流れが強いため、過去の在籍企業に問い合わせてをしても、お答え出来ませんという企業も少なくなく学歴・経歴の詐称を見破る100%確実の方法ではありません。

2.リファレンスチェックを行う

多くの外資系企業が実施しているのがリファレンスチェックです。通常は選考が最終段階に差し掛かる頃に行う事が多いです。リファレンスチェックとは候補者の過去の上司や、同僚、もしくは取引先の人間等、候補者の働き方や性格を良く知る人物を身元保証人として2名程紹介してもらいます。

人事がリファレンスとして紹介された人に電話をかけて、必要な事柄を聞き出します。一緒に働いていた期間や、当時の役職、関わっていた仕事内容等を質問し、採用に値する人材か、また経歴書に記載されている内容と違いがないかを確認します。

3.証明書の提出を義務づける

全ての面接が終わり、オファーレターも受諾した後の最後のフィルターが証明書の提出です。

提出したもらう書類は下記2つです。

  • 卒業証明書
  • 前職の在籍証明書もしくは退職証明書(在籍期間が記載されているもの)

ようやく長い選考が終了し、入社間近という段階で証明書の提出を渋る候補者がいます。実は卒業していないので、卒業証明書は提出出来ませんという人や、退職証明書に記載されている在籍期間が異なる事により経歴詐称が発覚する時もあります。

履歴書・職務経歴書の作成には細心の注意を払いましょう

完全に見抜く事は難しいですが、3つのフィルターを通す事により、高い確率で詐称をしている場合は発覚します。経歴詐称さえしていなければ、問題なく採用したのにという候補者も何度かみました。

学歴を詐称していたが為に最終的に不採用となったケースでは、実務経験は十分で実際は学歴は採用を決定する大きな要素ではなかったのに、虚偽の記載をしてしまった事で採用を見送らざるえなかった事もあります。どんなに小さな経歴の詐称でも意図して行った事が発覚した場合は企業が採用する事はまずありません。

意図せず単純なミスで入学、卒業、入社、退職の年月日を間違えて記載した場合でも、企業側からすると本当に単純なミスなのか否か判断が難しい時にもリスクを避ける為に不採用とするケースもあります。

ですので応募書類の作成時にはくれぐれも間違いがないように、何度も読み返す事をおすすめします。多大なエネルギーを使い面接を受けたのに、最後でつまずくのは本当に勿体ないので。

以上、外資への転職で多い学歴・経歴詐称の4つのパターンとバレル3つの理由でした。

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