選考

外資系企業の選考が長引く5つの理由

投稿日:2018年9月19日 更新日:

面接後に連絡が来ない、これは外資系企業では選考に落ちたということ?

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

外資系企業への転職を目指し採用選考を受ける方からよく相談を頂く不安な事として下記の2つがあります。

  • 面接を受けてから1週間以上経つのに結果の連絡が全然来ない。選考に落ちたのでは?
  • 選考が長く本当に採用の可能性があるのか不安

この2つとも外資系企業の選考プロセスに関係する事です。今回は選考結果の連絡が来ない、選考が長引くのは何故かという理由を説明したいと思います。

もう面接に落ちたのではと諦めていた方も、外資特有の選考プロセスを知る事でまだ採用の可能性があるという事が分かると思います。

 

選考が長引き合否の結果連絡が遅い5つの理由

1.選考プロセスが決まっていない

私の経験上一番多い理由がこちらになります。選考プロセスがはっきりと決まっていないのです。会社によっては1次面接〜最終面接までどの役職、立場の人間が担当するか明確にルール化されていますが、実は結構多くの外資系企業で面接回数や選考のプロセスが曖昧で選考の最中に考えているというケースがかなりあります。

外資はポジションごと、レポートラインごとに面接官が違うので、面接を実施する回数も異なります。プロセスが始まってから次は誰に会わせようと検討する事も普通にあります。次が最終の面接と決めて候補者と会っても、やはりもう一人社内の誰かに見てもらおう等と社内で相談している内に連絡が遅くなる事は日常茶飯時です。

候補者としては最終面接のつもりで臨んだはずが、後からもう一人会って欲しいという事が数回繰り返されると精神的にはかなり疲弊します。10回前後面接を重ね最終的に不採用となる人には申し訳ない気持ちになります。

本来はHiring Managerが前もって面接に誰をアサインするか決めておく必要があるのですが、採用慣れしていない部門等では後手後手になってしまいがちです。

採用部門としてはプロセスに時間がかかると候補者を他社に取られてしまう可能性があるので、早く進めて欲しいというのが本音です。

2.有力な候補者が現れていない

採用したい人材像とドンピシャな候補者が現れていない、もしくは応募人数が少ない。採用活動を開始してみたものの予想と異なり、有力な候補者が現れない、応募者が少ない場合も選考プロセスが長引き連絡が来ない原因の一つとなります。

まだ人が集まっていないから採用の合否の判断が出来ないという事です。

採用の広告やマーケティング戦略、企業のブランドという要素を除いて候補者がいない理由として、求めるスペックやスキルが高すぎて市場に存在しないか非常に少ない、もしくは採用したい人材像や仕事内容が曖昧でJob Description等で候補者にうまく伝わっていないという事が考えられます。

とにかく一刻も早く新たな人を採用する必要がある場合は、Hiring Managerなり採用部門のリクルーターがこのままでは応募者が集まらないので、現実を直視した募集要項に変え選考プロセスを仕切り直します。この時点で採用の可能性があれば遅くなっても次の選考の案内がきます。

逆に採用条件は絶対に譲らないというHiring Managerの場合は何ヶ月もポジションが埋まらないという事も珍しくないです。海外のManagerにこのパターンが多いですね。

3.採用予定ポジションがなくなる可能性が出てきた

会社や部門の業績に関係するHiring Freezeや組織の変更、Headcountの消失や他部署へHeadcountを移動させる等の理由です。

四半期決算を重視する外資系企業では業績の進捗に敏感です。現状では業績目標に到達しないと判断した場合にはプロセスの途中にある採用も含めて全てストップさせるという事はよくあります。このような状況を外資ではHiring Freezeと呼んでいます。

また組織が頻繁に変更される外資系企業では採用途中に組織改編があり、Headcount(ポジション)自体が無くなってしまうという事もありえます。

共通するのは組織、採用の動向が不透明な状況にあり、社内でもこのまま採用を進めて良いか否か判断を待っている状態です。選考を継続、ストップのどちらにも転がる可能性がある為、採用部門としても候補者への選考状況の連絡に慎重になっています。

4.面接官や担当者が休みに入っている

海外の面接官や採用担当者が選考に関わる場合に考えられるケースです。外資系企業の採用では外国のManagerと面接をする事も多々あります。日本と比較した場合、夏やクリスマス等のシーズンは長期の休暇に入る人も多い為、選考プロセスとかぶさってしまった場合は、プロセスが止まってしまいます。また休暇に入っている人の判断を仰がなければいけない時にも採用の可否等の判断が出来ずに、候補者への連絡が滞ってしまう原因の一つです。

5.採用担当(リクルーター)が連絡を忘れている

良い事ではないですが、リクルーターが候補者へのフォローアップを忘れている場合もあります。同時に複数のポジションの採用を担当し、数多くの候補者と連絡を取り合っている場合、単純な連絡漏れとしてあるケースです。

連絡がない時やプロセスが不透明な場合は遠慮せず確認を

選考結果の連絡が来ない、また選考が長引く理由として5つを説明してきましたが、面接時に結果はいつまでに連絡しますと伝えられて、その期日を数日過ぎても結果や次のステップの案内が来ない場合は、面接を受けた日時、応募ポジションを伝え遠慮なく採用担当者へメールもしくは電話で確認を取ってみた方がいいと思います。

一般的には選考から1週間以上経過しても合否連絡がない時には確認をしてみても問題ないでしょう。エージェント(人材紹介会社)を通している場合はエージェントが企業から連絡を貰っているにもかかわらず、候補者への連絡を忘れているという事もあるので、担当者へ聞いてみましょう。

また転職のタイミングが既に決まっていたり、他社の選考を同時に受けている場合には事前に選考プロセスにかかる大体の時間を確認し、いつまでに転職をしたいというタイミングを企業のリクルーターもしくはエージェントと共有しておくことも重要です。

タイミングが合わずに希望の企業に入社出来ないという事態は避けたいので。

以上、外資系企業の選考が長引く5つの理由でした。

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