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外資系企業の面接で募集背景を確認する事が転職リスクを減らす理由

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外資で中途採用をする理由は主に2つある

こんにちは、外資元人事の豊(ゆたか)です。

新しい仕事を探す時に仕事内容、給与、労働時間、休み等の基本的項目にプラスして確認する必要があるのが応募するポジションの募集背景です。外資系企業は新卒採用よりも経験者を採用する中途採用がメインです。特に海外支社である日本法人は中途採用の割合が高くなります。国内でも数千名を超える社員を抱えるアクセンチュア、IBM、オラクル、マイクロソフト等の超大手企業は新卒採用も長年それなりの規模で行なっていますが、中途の即戦力を積極的に採用する方針は各外資日本法人に共通する姿勢です。

外資系企業の中途採用には2通りあり、新規の採用と既存社員の退職や異動で欠員が出た際の後任採用です。それぞれ新規の採用をNew hire、後任の採用をReplacement hireと分けています。人材を採用する事はどちらも同じですが、募集に至った理由が違う為、入社前に募集理由を把握しておく事が大事です。いずれの採用でもHiring Managerが採用のキーパーソンとなります。

募集背景を知らずに入社し後悔する事も

新規採用(New hire)

新しくHeadcountを確保しての採用は基本的に業績を更に伸ばしたい場合の組織・人員の拡充、新規事業、新部門の開設等の前向きな動きがある時に行われます。会社の業績が悪く予算達成も出来ていない状況では新規のHeadcountの承認を本社から得る事は難しいからです。

基本的にはポジティブな流れの中での採用となるので、問題が生じる可能性は低いですが、新設のポジションや新部門での採用の場合は少し注意が必要です。新しくチームを立ち上げてみたものの計画した様な成果がチームとして出なかった場合には採用されたチームごと無くなる事も外資では珍しくない為です。また新規事業では手探り状態でスタートする事になるので結果が出るまでに時間がかかる事が想定されます。

新規事業や会社として初めて採用するポジションでの入社になる場合は、面接時に会社としての事業計画、いつまでに売上を見込んでいるか等の詳細をしっかりと確認する必要があります。会社が描いている計画を達成するのに十分なリソースが用意されるか、自分の経験とスキルは十分なレベルかを見極めた上で入社の決断をしましょう。

後任採用(Replacement hire)

既存のHeadcountを使っての欠員補充の採用です。Replacement hireで注意する点は何故前任者がいなくなったのかという1点になります。前任者が円満に退職した場合や、他部門へ異動になった場合は問題ありません。

気をつけるのは組織の構造的な問題や、現実的に達成が不可能な目標を与えられていた事が退職の原因になっていたケースです。所属する部門がうまく機能していない為に業績が振るわない、市場ニーズにマッチしない製品やサービスの担当、競合他社と比較しても理不尽な部門・個人の目標設定等が欠員が出ている理由であれば、その問題自体を解決しない限りは同じ事が繰り返される可能性が高いです。

また前任者が問題のある人物で他の部署、顧客、パートナー企業とトラブルを起こして辞めた時には関係者と1から信頼関係を回復させるというもう1つのハードルが発生します。

多くの後任採用では心配する様な事はありませんが、説明した通り組織としての問題があるポジションで採用されると入社後に予想外のストレスを抱える事になりますので可能な限り多くの情報を集めましょう。実際に外資系企業で働くと常に離職率が高い部門がある事に気づきます。部門単位でなく会社全体として離職率が高い場合もあります。

面接時の直接確認とエージェントの併用でリスクを減らす

基本は面接時に募集背景を面接官や採用部門のリクルーターに確認する事です。その上で前述した内容を質問しましょう。組織の構造的な問題や他の社員が原因で常に離職者が出てしまっているポジションの場合には、企業側がどこまで詳しく内情を説明してくれるかは未知数です。面接で何か嫌な雰囲気や不安を感じた場合はインターネットの口コミサイト等を利用し、情報を積極的に集めましょう。

人材紹介会社(エージェント)を通して採用している場合はエージェントには詳しく募集背景を説明している事が多いので、エージェント経由で応募をすると事前に情報を得る事が可能です。自分では聞きづらい内容も代わって対応してくれます。

転職後に充実した生活を送る為にも問題がある組織へ飛び込むリスクは可能な限り減らしましょう。以上、外資系企業の面接で募集背景を確認する事が転職リスクを減らす理由でした。

 

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